Landscape Architecture Publisher - FUUKEI PUBLISHING
事務所へ向かう途中に吉原弁財天本宮があり、週に何度か参拝し図々しいお願いをしている。
同じ敷地内には関東大震災の際に亡くなられた方々の慰霊のためにつくられた観音像「吉原観音」がある。
巨大な岩とその上に立つ観音様。初めて参拝した日、これまでに経験したことのない存在感に圧倒されたことを覚えている。以来、弁天様に参拝した際には必ず観音様に線香を手向けているのだが、ある日いつものように手を合わせ観音様を見上げたとき、一瞬目を開いたような錯覚に囚われた。そしてその直後なんとも気持ちのいい風が吹き抜けた。この一連の出来事を誰かに話せば、単なる錯覚と偶然が重なっただけと一蹴されるであろう。だが、観音様が歓迎してくれたに違いないと思うことで少し嬉しい気持ちになるというものだ。何でもかんでも「根拠を示せ」「数字を見せろ」と詰め寄ることが多い世の中において、今回のようなことを単純に喜ぶことも大事ではないかと思う出来事であった。
(※撮影と掲載の許可については参拝時にお願いをしています)