Landscape Architecture Publisher - FUUKEI PUBLISHING
まだこうして路地で遊ぶ子どもたちがいることがうれしい。60年代までは子どもにとって町中が遊び場だった。路地、空き地、境内、用水路、校庭などなど。70年代になると空き地には家が建ち、路地や用水路は管理され、校庭も放課後の利用は禁止されたりと子どもたちの遊び場は失われていった。その代わり大小さまざまな公園が整備され子どもたちの遊び場はもっぱら公園になった。それはきっといいことなのだろう。だが、空き地や用水路や路地のように使い方は自由、少しの危険も孕んでいるような刺激は失われていった気がする。ここで遊びなさいと指定され、遊び方も規制された。近ごろは大きな声を出していけない公園もあると聞く。子どもの頃から管理社会の一部に組み込まれるのだから、たまったものではない。だけど必ずはみ出すヤツはいるもので、そういう子どもが意外と大物になるのではないかと想像したりもする。無難な人生もいいが、難が有ることは有難いと思えばきっと乗り越えられる。なるようになりますように。