Landscape Architecture Publisher - FUUKEI PUBLISHING
下町を歩いているとい鉢植えが多い。これは下町特有の家の建て方にあると思う。多くの戸建ては門もなく玄関を出るとすぐに道というつくりが多い。またいわゆる鰻の寝床と比喩されるように細長く奥行きはあるものの敷地いっぱいに建てられているため庭をつくる余地がない。必然的に植物が好きな人は玄関周りに鉢植えを置き、植物を楽しむことになる。写真はとても民地には見えないが、居住者の好みの植物が並んでいる。もしかすると1軒だけではなく数軒の人が関わっているかも知れない。ただ、歩いていてここに何もなければつまらない道になってしまうであろう。この緑があることで、人の気配が感じられるから不思議だ。人は自然(緑)を感じていたのだろう。下町を歩いていると、実に自由奔放な緑に出会うことができる。